
■アビシニアンの発祥の地はどこ?
アビシニアンという名前は、
現在のエチオピアの古代の呼び名「アビシニア」より、
付けられたといわれています。
ですが、原産国はどこなのか未だはっきりしておらず、
いくつかのルーツが考えられています。
農耕で栄えた古代エジプトのナイル川流域で、
野生のリビアヤマネコが人に飼われ、
そこから家猫へ進化したというルーツがあります。
約4000年前に古代エジプトの壁画に描かれており、
すでに家猫化していたといわれています。
これが最も一般的な説です。
また、約9500年前にキプロスの地中海の島に、
アビシニアンが生存していたともいわれ、
インド洋岸の国や東南アジアの国だといわれます。
いずれにしても、アビシニアンの毛色は、
当時珍しいものであり、バーニィキャット、
野うさぎの毛色をした猫だといわれ、
交配が進められ、現在のアビシニアンが生まれました。
■アビシニアンの血統登録
1896年にイギリスで創立された猫協会に、
アビシニアンが登録されました。
当時はまだ、2匹だけの登録だったようです。
その後、イギリスからアメリカに渡りましたが、
1914年〜1918年に起こった第一次世界大戦の影響で、
アビシニアンの発展は遅れてしまいました。
1930年代になると、10匹以上のアビシニアンが、
イギリスからアメリカに輸入されますが、
またしても1939年〜1945年に起こった、
第二次世界大戦の影響で、発展に大影響を及ぼしました。
1950年代になると、落ち着きはじめ、
熱心な愛好者によって、アビシニアンの数は増え、
1973年に、全猫種・年間最優秀猫になるなど、
全米にアビシニアンの人気は広がりました。
■日本に来たアビシニアン
日本で初めてキャットショーが開かれたのが、
1956年のことでした。
数頭のペルシャ猫と、約70頭のシャム猫が出陳されて、
たいへん華やかな社交場となったそうです。
そのあたりから、アメリカやイギリスといった、
海外から血統猫が輸入されるようになり、
1960年代には、10匹前後のアビシニアンが輸入されました。
今では考えられない話ではありますが、
当時のアビシニアンは、噛み付いたり、引っ掻いたり、
手が付けられないほどの野性味にあふれていたため、
獣医の嫌いな猫種の1つでもあったそうです。
アビシニアンは、現在、全世界で親しまれている、
人気のある猫種です。
どの猫種にもいえることですが、
さまざまな歴史を経て、
今の人気を得ているのは面白いですね。
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