尿の中に結晶ができることを尿結石といいます。
それが尿道に詰まり、膀胱を傷つける病気です。
雄猫であっても雌猫であってもこの病気になりますが、
重大な症状が出てくるのは雄猫です。
雄猫の尿道はもともと細くて長いために、
結石が詰まりやすいのです。逆に雌猫は、
太くて短い尿道なので、結石によって尿道が、
詰まってしまうことはありません。
雄猫の尿道が決勝で詰まり、尿を排出できなくなると、
尿毒症などを発症し、命の危険をともなうこともあります。
この病気は、尿石症ともよばれていましたが、
現在は、下部尿路症候群とよばれています。

■猫の下部尿路症候群の症状
下部尿路症候群の症状としては、
トイレに行きたいという意思はあるものの、
尿が出ないといった症状がでます。
頻繁にトイレに行くようになるので、猫の動作を、
チェックしておきたいものです。
尿道に結石が詰まり、治療せずに時間が経過すると、
猫は急性腎不全となり、尿毒症の症状も出てきます。
食欲がなくなり、体温の低下や嘔吐がみられ、
危険な状態となります。
この病気にかかってしまった猫の尿は、
乾燥すると、後にサラサラとした結晶が残ることもあります。
そのため、尿が出にくいなどの症状がなくとも、
結晶から判断できることもあります。
この病気の特徴として、病状に差があるということがいえます。
ある日突然、血尿を出すこともあります。
これは、膀胱から出血しているときに起こる症状です。
雌猫がこの病気になった場合、
その症状から、間質性膀胱炎とよばれることもあります。
■猫の下部尿路症候群の原因
猫は尿がもともと濃いという性質を持つ点、
猫の食べる食事内容が原因となって起こる病気です。
本来の猫は、乾燥地帯に住む動物ですから、
水を頻繁に飲むのではなく、体内で水を再利用して生きています。
つまり、猫は他の動物と比べて、尿を濃縮する傾向が強いです。
猫の尿は通常、弱酸性ですが、
食事の影響などにより、アルカリ性になると、
ストルバイトという結晶がつくられるようになり、
尿道をつまらせたり、膀胱を傷つけたりします。
ミネラル分の多いドライフードばかりを食べさせると、
この病気を発症しやすくなってしまいます。
一度かかってしまった場合は、再発防止のために、
ミネラル分の少ない食事に変えることをお勧めします。
また、この病気は冬になりやすい病気でもあります。
これは、猫が冬になると水をあまり飲まなくなったり、
不活発になることで起こりやすくなるといわれています。
この下部尿路症候群は、予防する方法がわかっている病気であるにも、
関わらず、発症する猫の数はなかなか減りません。
多くの猫の飼い主さんの知識不足もありますが、
この病気を予防するキャットフードが普及していないことも、
発症する猫の数が減らない原因だと私は思います。
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